東北出張レポ2:仙台被災地めぐり - KOMOREBI||blog

東北出張レポ2:仙台被災地めぐり

| コメント(0) | トラックバック(0)

東北出張

2日目。

前日の疲れもそのままに、新青森から仙台に移動。
そこで宮城の知人と山形の知人たちと合流。
事前にお願いしていた津波の被災地に車を出してもらった。

訪れたのは3箇所。
最初は、仙台駅から南へ移動して名取市へ。
被害が多かった閖上漁港に脚を運んでみた。

今回は普段の映像系ではなくて、iPhoneアプリのパノラマ写真を多く撮ってきた。
これはGoogleMapsのストリートビューとで比較して欲しいからだ。

上記の写真は、既に種類別に選別されて山になっている瓦礫の山と、閖上漁港の今の姿。
ほぼ同じ位置で津波前を見ると・・・。

http://g.co/maps/un6sz

一番最初の荒野にぽつんとあるアパートも、ストリートビューで以前の場所をみると
http://g.co/maps/36h5e

閖上湊神社あと

そして、ここの近くには小さな丘が今でもある。
以前は閖上湊神社があった場所だ。
http://g.co/maps/q9h24

ここから周りが一望できるのだが、遠くで動く重機か、鳥の声以外はまったく「音」がない。
そして半年たってしまっているので、既に草木が生え始め、どこまでも荒地が続いているイメージだ。

東北出張

丘の上にあった碑石は、引き波で海に向かって倒れていた。
鎮魂などの言葉から、昔の津波の跡に立てられたものだったのだろう。
おそらく緊急避難用に山にしたのかもしれないが、今回はソレすら押し流してしまった。

東北出張

実際、太い鉄柱も押し曲げられているが、向いている方向は海側。
引き波の強さがものすごかったのが分かる。

東北出張

ちなみに閖上湊神社の側には2つの小高い山が出来上がっている。
こちらは瓦礫ではなく、また地震があった場合に近くで作業している作業員たちの緊急避難場所だそうだ。

-----

次に移動したのは、仙台空港。
ここも3mの津波が襲って、多くの車や飛行機が流されたのは言うまでもない。
しかし、復興の早かっただけに、現在は綺麗になり、津波の跡をちらほら見ることができる。

建物内部には、津波の到達高さに記しがしてある。

東北出張

現在は、その際に空港内にいたカメラマンなどの写真が展示されていて、当時現場がどんな状態だったのかを覗くことが出来る。

東北出張

東北出張

外の道路脇にの屋根の高さまできた津波。
震災時は、多くの車が日差に引っかかっていた。

東北出張

きっと赤い車の塗料だろう。
このような跡が幾つも日差の裏側にはあり、草木が引っかかっているところもある。

屋上の展望台からもパノラマを撮ってみたが、この辺りは元々駐車場が多かったということで、見た目はあまり大きく変化したように思えない。
思えないというか、綺麗サッパリになってしまったので、空港の脇にある瓦礫を見ないと惨状はわからない。

------------

次に車を飛ばして今後は北上。
テレビでも多く映像が流れていた石巻漁港付近にきてみた。
こちらの惨状は今でもそのまま。

特に海岸付近は、おそらく津波であろう力によってめくれ上がってしまった岸壁付近のアスファルトが見て取れる。

東北出張

東北出張

東北出張

こちらも前の場所をみると、前は家が密集していたのがわかる。
http://g.co/maps/r6bas

東北出張

岸壁近くは、まだ打ち上げてしまった船もそのまま置かれていたり、近くの木材置き場から流れてきたであろう木材が海面に浮いていた。

-----------

そして最後に移動したのが、石巻市門脇町。

東北出張

この辺りは、名取市と違って建物が幾分のこっているので、爪痕が手に取るように分かる。
http://g.co/maps/vk5m3

門脇町 津波あと
http://g.co/maps/vqw55

こちらなどは2階まで中がごっそりえぐられてしまっている。
東側は何かがきっとぶつかってきたのだろう、角の壁ごとなくなってしまっていた。

そして、テレビでも燃え上がっていた小学校として知られる門脇初学校

門脇小学校

3階まで窓がなくなり、黒焦げた壁がとても印象的で、校庭もすべて海の砂になってしまっていた。

と、ここで後ろから声をかけられた。
誰かと思えば、大きなカメラを2台ぶら下げてきた記者の人。
話を聞くと共同通信社のカメラマンだった。

東北出張
http://g.co/maps/p2kxd

誰もいない小学校に車でやってきて、何かをやっているので気になって声を掛けたのだという。
急きょ取材を受けることに・・・。

震災から半年、ボランティアの人たちは多く入ってきたが最近になって観光的に来る人もチラホラいるという。
そんな中、明らかに映像を撮っているの私らは記者の人に異様に見えたようで、目的だとか、その映像をどうするのかをさんざ聞かされた。
しかし、一般市民だからこその視点で、ネットを通じてありのままを伝えたいという意思は、この記者の人にも十分に伝わったらしく、こちらが生放送が終えた段階で「実は・・」という話を幾つかしてくれた。

そう考えると筆者たちのやってることは、重要であり、必要である気がした。
そして、地元の実際の経験者も、「もうこれからはこの現状を多くの人に見にきて欲しい」と言っていた。
ボランティアでなく、視察として今回はいって切に思ったそうだ。

東北出張

筆者も今回現地をみて思ったことは・・・
テレビや写真などでは伝えきれない惨状がそこにあるということ。
そして、「音」も「人」もいないというのがどんだけのものなのかを、ぜひ現地に訪れて感じて欲しいと思う。

もちろん震災直後はいろいろそんな事をしていたらパッシングを受けたかもしれないが、半年たった今はもう誰の迷惑にもならない現状がそこにある。
逆に言えば、それを多くの人に伝えなければいけない気がした。

実際に、この被災地を修学旅行先にするという学校がニュースになっていたが、きっと何処よりも記憶に残る旅行になるに違いない。

最後に・・・
石巻の旧北上川にも訪れてみたが、既に新しい岸壁が出来上がっていた。
しかし、そこを登ってみると・・・

東北出張

下に小さい足場がある。
ほとんど水面ギリギリなのだが、これが前の堤防の高さだと言っていた。
どれだけ池面は沈下してしまったのかは、この水面の高さが全てを物語っていた。

最後に、この仙台の地で多くの現地の仲間が会いに来てくれて宴をした。
そこで実際に体験談だとか、これから自分達で何ができるのかを男ばかりで話し合った。
関東から来た筆者としてもこの姿をバックアップしたい気持ちになったのは言うまでもない。
必ず、もう一度来たいとも思った。

Related Posts with Thumbnails

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://www.freesia.org/mt-admin/mt-tb.cgi/163

コメントする

アーカイブ