本日はAdobe社の報道発表会に行ってきました。
内容としては、Adobe Scene7 の日本語提供開始にともなう発表です。
» Adobe Scene7
このサービスは、オンデマンド・クロスメディアソリューション。
噛み砕くと、E-コマースWebサイト向けのSaaS版支援サービスで、リッチメディアなコンテンツを手軽に・・・というもの。
その今回は日本語版の発表ということになる。
実際、この Adobe Scene7 で何が出来るのか・・・という面だが、「7」という文字があるとおり7つのサービスがある。
- Dynamic Imaging
- eCatalog
- Madia Portal
- eVideo
- Visual Configurators
- Web-to-Print
- Targeted Email & Print
それぞれ Adobe Scene7 のサービスを簡単に説明をすると・・・
- Dynamic Imaging
- 高画質な画像をサーバーにアップし、それをストリーミングで読み込ませるなどすることで1商品のズーミングや360度回転をスムーズに行える。
またFlash Videoとの組み合わせなども可能。 - eCatalog
- 簡単に言えば、電子カタログ。
これまでFlashなどで作っているサイトがあったが、それがPDFとフォントをアップロードしておくことで、ハイパーリンク付きのデジタルカタログが手軽に作成することが出来るもの。 - Madia Portal
- 各販売チャンネル間でのアセットを制御し外部や各種チャンネル、もしくは内部ユーザーに向けて配信することできたり、検索・ブラウジングが出来るもの。
- eVideo
- 様々な動画形式のファイルを扱うことができ、アップロード後はFlash Videoに変化されて手軽にストリーミングを行えるもの。
- Visual Configurators
- 商品の形状合わせや色調整などを動的な処理でカスタマイズできるようにするもの。
たとえば、部屋の写真で床板の色やカーペットなどを動的に変更を体験できるなど。 - Web-to-Print
- オリジナルな印刷物などを手軽に作成し、ユーザ側でカスタマイズを可能させそのまま印刷まで出来るようにするもの。
実際にはフォントや画像をサーバーにアップすることで、フォント変更や写真変更をユーザーの好みに任せて印刷物を作らせることが出来る。 - Targeted Email & Print
- サーバー上のデータやデータベースと連動し、ターゲットに特化したDM(メールや印刷物)を作成できるもの。
ちょっと言葉だけでは分かりづらいので、そこは Adobe Scene7 オフィシャルサイトにあるデモをご覧いただくか、日本では Adobe Scene7 事例1号となる『PEACH JOHN』のサイトをご覧いただくといいだろう。
PEACH JOHN(PJ)は、既に公開されてから1ヶ月になるが、今日の発表とともにeCatalogをつかったデジタルカタログも夜に公開になった。
スムーズなズーミングなどが体験できる。
» ::: PEACH JOHN|ピーチ・ジョン:: デジタルカタログ :::
下図は、公開になったPEACH JOHNのデジタルカタログ。
ページめくりになっているだけでなく、それぞれの画像がストリーミングで読み込まれるので、ズーミングもスムーズに出来る。
またChromeでは操作不可能だったが、各商品をクリックすると商品詳細ページにページ移動される仕組み。
また公開済みの以下のような商品詳細ページでも、
色のバリエーションやズーミングがスムーズに実現していたのは、このAdobe Scene7を使っているからだ。
最近、アメリカや欧米サイトでサムネイルが動画になっているとか、
商品のズーミングがスムーズに行われてるECサイトはこれらのサービスを利用していることになる。
気になるAdobe Scene7 の料金だが、質問にあがったのだが詳細の値段は答えてはくれなかった。
しかし、低価格層のクライアントでも使うことが出来るように、7つのサービスはそれぞれ必要なサービスだけを契約して使うことができ、支払いについては年契約による年払いとなるそうだ。
また、私が質問してみたがこのAdobe Scene7についての体験は、英語版の機能限定版がオフィシャルサイトから申し込むことで利用が出来る。
こちら帰宅後確認したが、30日間のトライアルになっている。具体的に形を考え作業するまでで30日で足りるのか分からないが、現時点ではその仕様。
また、何故か登録国名に「Japan」がないので、登録できないのは問題だ。(他国で選択してやってしまう手もあるにはあるが・・・)
例の買収話と今回のサービスの連携企業が一致している点などをみると、今後はこのサービスとでいろいろな連携をさせていくのだろう。
ECサイトの充実が果たして、ここまで求めら得るとなる場合、Web技術者は何を考えていかねばならないのだろう。
最終的には、Adobeのスライドにも「コンテンツ主体」とあったように、今度はただ制作できますだけでは成り立たなくなるに違いない。となれば、このサービスを利用するにあたっても、最終的にはどの商品を、どのように見れるようにするか、といったマーケティング知識は必須となるだろう。
最近やっとWeb業界でも「マーケティング」という言葉が出始めたが、もっとお金に関する知識をもって、提案ができるようにならないと・・・この不況から抜け出すだけでなく、5年後、10年後が厳しいかもしれないですね。