週末の土曜日――。
明け方に寝たのに8時には目が覚めてしまい、掃除やら洗濯やらを徹底的にやっていたらお昼になってしまった。
テレビっ子な筆者ですから、パソコンよりもまずテレビw
ふと教育テレビにしたら“佐野元春”さんと“さだまさし”さんが対談してる映像が目に入ってきた。
どーやら大学生を対象に「曲を作る」という講義をしている。
番組表サイトをチェックすると、7月から始まった「佐野元春のソングライターズ」らしく(9月までの全12回)、立教大学池袋キャンパスで行われたオープン講座「ザ・ソングライターズ」だった。
で、今見ているのは Vol.4 「さだまさし・II」の2回目の再放送。
面白そうなので、そのまま見ていると、
さだまさしさんが「曲作りごっこをしましょうか」と言い出した。
あくまでもワークフローをやってみるだけなので、実際はそんな風につくらないらしいのだが、始まった途端に釘付けにされてしまった。
ひとりの生徒さんを指定して、最近あった出来事を聞いた。
「悲しいことがあった⇒祖父が亡くなった」から始まり、そこから「夏」「雲」「空」などキーワードになる言葉を次から次へと、その会場にいる各学校の生徒さんとでつなぎ合わせていく。
一種のブレイストーミング的なのだが、それよりも釘付けにされたのは、さだまさしさんのキーワードのつなげ方だ。
歌い出しだけだったのだが、出てくるキーワードをその場で「コトバ」としてつなぎ合わせてく。
まさにその亡くなった祖父がいる「情景」や「色」、「におい」を「コトバ」で如何に表すか・・・。そして、そのコトバを「音で表現するとどうなるか」を順に行っていく。そしてそれに実際にコトバを乗せてみる。
20分ほどやり取りしながら、ワンフレーズが出来上がった。
そしてその後、質疑応答で以下のようなコトバが、さだまさしさんから発せられて、上記のワークフローの成せる人とはどんな人なのかが何となく見えた。
長くなるので簡単に箇条書き。
- 自分は変な人間。そして集中力散漫。
⇒散漫だから、いろいろなコトが気になってしまう。
⇒いろいろなコトが気になるのが自分の引き出しになっている。 - 理論からは何も生まれない。生むのはインスピレーション
⇒たくさん生み出すには、いっぱいのインスピレーションが必要 - インスピレーションを体温で伝えることを考える
- 人を壊すのは人。でも、人を救うのも人。
- 心に釣り糸を垂らす=曲作り
- 売れるものを作ろうとは思っていない
⇒売れることを考えて作る=時代を追うことになる
⇒それでは今しか売れない - SOFTBANKの「ミソシル490円」の歌は、その時垂らしていたらできた歌
⇒みそ汁って日本を代表するスープ
⇒具材だって10人いれば10通りでてくる
⇒みそ汁ってすごい。
⇒でも、みそ汁屋ってないし、お弁当につかないこと多い - 引き出しを増やしましょう
簡単に書くと、こんな話が出ていたのだが、
正直、自分もずっとクリエーター業をしていて、心に響くモノがたくさんあった。
それは今の自分の状況であったり、10年やってきたことだったり、講師で生徒に発している言葉と共通していたこと。
twitterでリアルタイムにメモを残していたら、何人かがRTしてくださったんですが、たぶん同じようなクリエーターさんには多く響く番組だったことだろう。
人に伝えるって何だろう?
Web制作の仕事に限った話をするならば・・・
今デザインやっている人は、何を伝えるためのデザインをつくっているか。
プログラマーならば、誰を想定してロジックを組んでいるのか。
ディレクターならば、プロジェクトを誰にどう伝えたいと考えているのか。
もちろん、発注側も「作る」というものに参加するのだから、「何を伝えたいのか」はやっぱり考えなければいけなくて、またその伝え方は、1つでなく、いろいろあって思い浮かぶか、ひねれるかは、「インスピレーションの数」であって、「引き出しの数」がどれだけ見つけられるかは重要なことだろう。
その後、撮りためていた「情熱大陸」に写っていた芥川賞作家の川上未映子さんもそうだ。
カフェなどで運ばれてくるお水。それを表現するのに、ただお水が運ばれてきたことを書くんじゃなく、水滴が目についてしまうとそこまで書かないと気がすまない。
ポスターを説明するなら、そのポスターにあるシミまで書かないと気がすまない。
「観察力」と「インピレーション」と「引き出し」は、大いにつながっていると確信。
そして、昔から筆者も「集中力散漫」といわれるのだが、同時に「何でそんなの思いつくの?」と言われるのは、ある意味「作り出す人=クリエーター」ということだろう。
ならば、もっと有効活用しなければ・・・・
でも筆者にまず足らないのは、語彙力w