今週月曜日の『カンブリア宮殿』は、オーケースーパーのオーナー“ 飯田 勧”氏だった。
オーケースーパーは、イトーヨーカ堂やダイエーなどと同時期に創業し、現在店舗閉鎖が進む中で唯一毎年10%ずつ売上げを拡大をしている大手スーパーだ。
今回は何気なく見ていて、すごく感銘を受けたのでブログ記事にしときたい。
オーナーが示す経営方針は「高品質EDLP(Everyday Low Price)」。
だから、オーケースーパーは「特売」というのが存在しない。
代わりに、全ての商品が常に安く、通常価格よりも幾ら安いのかはプライスカードに必ず記載されている。
それだけでなく、他店よりも高い場合はすぐに値段を下げる。
だが、本当にすごいのは「熱烈なファンを作る」と豪語しているだけのサポート。
社長自ら、毎日400枚ほどのお客からのメッセージカードを毎朝日課として全て読み、客からの声を受け止めて入るほか、社長自らが買い物に訪れるという徹底ぶり。
そのため現在取り扱っていない商品の希望があれば、自ら検討し、入荷することが決まれば各店舗から客側へ一報をいれるようにしている。
また、訳アリな商品については、正直に「肌触りがよくない」などの情報も提示する「オネスト(正直)カード 」で『信頼』を得る努力をしている。
その為、オーケースーパーでは値段を見ないで買うお客は確かにいる。
実際テレビでも映っていたが、翌日にたまたま某店舗前を通りがかったので、実際に店舗を視察してみたところ、平日の14・15時にも関わらずひとまわり大きなカートにどっさいとどの客も商品を詰めてレジに並んでいるのには圧巻だった。
しかも、レジ袋は有料だけど、ダンボールは無料とあるものだから、皆こぞってダンボールに詰めている。
経費節減どころか、通常なら産廃費用もバカにならない部分もうまく考えられている。
この経営成功には、飯田氏みずからが世界最大のウォルマートを手本とした経営を手本に、「全経費を15%以内にする」のを目標にしているからだろう。
しかも、今やその手本にしているウォルマートの15%水準すら越えてしまっているのだから、スゴイとしか言いようがない。
ちなみに、通常スーパーなどでの全経費は20~25%といわれている。
特売がないから、発注はすべて中央センターで管理されている。つまり各店舗で発注業務というのが存在しないから、在庫を抱えてしまったりすることも極限に押さえられている。
筆者も以前、某大手スーパーで2年ほど販売員をしていたが、明らかにオーケースーパーの店員とで動きが違うし、人数も違う。
そして必要な箇所に店員が配置されているのは、「熱烈なファンを作る」というモットー故のサポート重視からというのが良く分かる。
このやり方は、Webショッピングにおける考え方に大いに近いと、実際店舗に訪れて思った。
やっぱり販売が現場を見るのが一番勉強になる。
カンブリア宮殿 村上龍×経済人 社長の金言 (日経ビジネス人文庫) テレビ東京報道局 日本経済新聞出版社 2009-02 by G-Tools |