6月最後の週末、西新宿のベルサール西新宿にて“CSS Nite LP6”が開催された。
» CSS Nite LP, Disk 6(LP6)「CMSリベンジ編」(2009年6月27日開催):国内産CMSに特化したセミナー
今回のCSS Nite LP6のテーマは「CMSリベンジ編」ということで、以前行われた「MT4LP5」がMovable Typeにフォーカスしたものだったのに対して、今回は『国産CMS』の紹介。
で、名を連ねたのは全国各地でCMSツールをつくっている以下の数々。
- SOY CMS
- 日本情報化農業研究所
- WebRelease 2
- フレームワークスソフトウェア
- CMS Designer
- アル・デザインワークス
- RCMS
- ディバータ
- a-blog cms
- アップルップル
- bingo! CMS
- アイ・ティー・ディー
- Jimdo
- KDDIウェブコミュニケーションズ
- Power CMS for MT
- アルファサード
梅雨の中休みの蒸し蒸しした暑い日なのに、この日のために北は北海道、南は沖縄から参加者が西新宿に集まった。もうホントに暑かろうが、道に迷おうが、集まってしまう自分らは間違いなく「Webヲタ」と言われるだろな・・・www
と、いうことで、数が多いですから、ひと言ずつCSS Nite LP6のレポート。
先頭は、『SOY CMS』の古荘さん。
ここのCMSは、テンプレート用のHTMLファイルに直接“属性”として付け加えることで、CMSと連動することが出来るモノ。
そのため、テンプレート上には“当たり文字”が入っていてもOKで、そちらは「cms:ignore」と記載することで消すことが出来るそうだ。
そのほかにも、テーブルといったモノも更新用のテンプレートにすることもできたり、メールフォームもカスタマイズが思いのままカスタマイズできたりの特長がある。しかも商用利用もOKなオープンソースということで嬉しい。
ただ、ライセンス形態と記事の限界が「数百くらい」ということで、大きな規模や企業系の場合には難しい印象が感じられたが、管理画面の見易さという面では一番良かった気がする。
またここのセッションでは、古荘さんからお野菜セットのプレゼントが数名にあり、何故かうちの知人がゲットw
ズッキーニやらナスやらがいっぱい入っていた。
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次は、『WebRelease 2』の渡辺さん。
こちらは終始営業的トーク。
料金はこの日の他製品に比べると桁がちがうお値段だが、静的コンテンツとしてハイパフォーマンスな作業ができる。 またデザイン面に関しては、白いキャンパスしか初期段階にはないほど、自由度が高いのが特徴。
その事例として、制作を実際に行ったスタッフさんより、日産のカーラインアップページやACROSSなどが事例としてあげられた。
ちょっと事例がCMSとの連動性を紹介するのではなかったため、実際のシステム部分がどのように素晴らしのかは今ひとつ分からず・・・。
個人的に触れるお値段ではないので、どこかで実際触れる機会があれば嬉しい。
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3番手は、『CMS Designer』。
ITセミナーの多い福井県発のCMSで、今回は小浜(オバマ)市ということで「オバマまんじゅう」を会場にいる人にプレゼントからセッション開始。
こちらも最初の『SOY CMS』同様にDreamweaverで編集もできるのを特長としてあげていた。
ただ、『SOY CMS』と違う点は、『SOY CMS』はデザイン面としての視点が強かったのに対して、『CMS Designer』はどちらかというとシステム屋さん的な発想から生まれている印象があり、全体的に“XML”の編集を行ってカスタマイズしていくのが特長。
その為、おそらくこの『CMS Designer』はデータベースを必要としていないのではないだろうか?また、システムそのものはPHPで出来ている為、URLは「.htaccess」などで換装しないと「.php」であったり、ソースの1行目と一番最後にPHPの記述を必要とする。ただ、使いこなせると、素早くいろいろな表現ができるのは間違いないだろう。
そー言えば、ここはIE6でのチェックに支障が出るのでは?という質問もあった。
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4番手は、『RCMS』の加藤さん。
こちらは今回、小林氏と黒野さん推薦で無理やり枠をつくってしまったというオススメCMS。
しかし、今回セミナーではこの『RCMS』を聞くためにわざわざ来場してきている人もいるほどだ。 というのも、おそらく「CMS」と言われて、本来の形に一番近いのはこの『RCMS』に違いない。
この『RCMS』の最大の特徴は、metaデータによる関連付けが行われること。
簡単に言えば、「写真」と言った場合、1枚に写真には「誰が撮った」「何で撮った」「誰を撮った」「何処で撮った」など、関連した情報は必ずついてくる。しかしこれを関連付けるというのがちゃんとマトリックス的に繋げられるのは『RCMS』しかない(私の知る限り)。
しかも、インストール不要なSaaS版。
元々は、早稲田ラグビー部でサイトを運営していた際、OBになっても「誰でも更新」でき、「情報を整理」できると言う点を、今でいう「IA的な視点」からで作られているため、現在の仕様では既に100種以上もの関連モジュールが用意されている。しかも選択するだけでマトリックス的なページが作成できる。
今後のメタデータ社会という面では一番有望なCMSになることだろう。(たぶん)
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最後は『a-blog cms』。
代表のかずみちさんがお話するのかと思いきや、この『a-blog cms』リリース日に入社したというスタッフさんが壇上にたったw。
こちらは、昔にリリースしたブログツール「a-blog」のCMS版。
こちらもDreamweaverで編集が出来るのが大きな特徴。
インクルード機能をうまく利用して、ほぼリアルに画面のカスタマイズが行うことが出来る。
フォーム機能についても、好きなだけフォームをつくることができ、そのすべてをIDで管理し、またログも取得できるのは有望な部分。
その他にも、マルチデバイスの対応もできていて、特定のデバイスでは見れない、といった問題を解消する機能がついている。しかも、わらわれ制作者向けに作られているため、カスタマイズには基本「(X)HTML」と「CSS」の知識のみで作れてしまうのは、とても手が出しやすい。
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後半は、持ち時間5分でのアピールタイムで3社がプレゼン。
申し訳ないが、ここはプレゼンスピードが速くてメモれなかったので割愛。
『bingo! CMS』では、プレゼンのトーク術に会場は笑いの渦に巻き込まれたり、 『Power CMS for MT』では「MTでいいじゃん」という脱力さが会場を沸かせていた。トーク術は、この日のプレゼン中で両名が一番魅力的だったきがする。
そんな中、純国産ではないが更新ツールとして、以前ここでも紹介した『Jimdo』もプレゼン。
結局のところ、どこのCMSもはやり一長一短な部分はある。
部分的が強かったり、サイト全体でなければならなかったりと仕様もまちまちだ。
われわれWeb制作者は、時と場合により、どのツールを選択するか、どれが一番最適か、その判断が最終的に必要だろう。 つまり「これしか使わない」とかでなく「一度は試して使ってみる」という姿勢が必要になってくる。
だから、今回は『bingo! CMS』のように無料30日アカウントを参加者全員に・・・といったサービスとうのは、きっとフィードバックもたくさんあるだろうし、今後も伸びるに違いない。
さて、CSS Nite LP6はまだ後半にディスカッションと、懇親会があるのだが、こちらは動画があるので編集したら改めて記事にしたいと思う。
※動画は一部だけ公開。
【2009,06.29 18時】
この記事公開した直後から、いろいろご指摘などもあり一部文章を修正させていただきました。
ご連絡くださった皆さんありがとうございます。