Adobeのサイトで、Photoshop CS4 における「カラーユニバーサルデザイン」に関する記事が掲載された。
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記事は、特定非営利活動法人カラーユニバーサルデザイン機構の副理事長でもある伊賀公一(視覚情報デザインコンサルタント)氏がPhotoshop CS4 のCUD機能について解説している。
一時話題になった「アクセシビリティ」という言葉も、最近は「Web標準」という言葉がWeb制作者の間で使われるようになってから、あまり見かけなくなった。
それはWeb標準な準拠制作を行っていれば、アクセシビリティやSEO対策は7割は出来上がっている。というのがあるからかも知れない。
でも、その後3割の考慮は意識しているのだろうか。
上記の記事の中でも伊賀氏は、このように述べている。
案内標識などもフルカラー化が進み、ウェブサイト上では誰でも簡単に色彩表現ができるようになりました。
さらにDTPで印刷工程が簡略化されたために「このデザインは色弱者に見分けづらい」という指摘をされる機会が減り、色弱者が情報弱者となる状況が増えたのです。
アクセシビリティに関して言えば、文字などの「情報」だけでなく、「色」や「見栄え」、「使い勝手」についても考慮しなければならない。
しかし、実際にデザインをやっている人で、何をすべきなのかを理解できている人がどれだけ居るだろうか。
日本は「アクセシビリティの先進国だ」と良く言われるが、わたしはまだまだな気がする。
この5年近く、デジタルスケープにて講師をしてきたが、その間に何人もの「デザイナー」という肩書きの生徒さんが居た。
その生徒にアクセシビリティの講義をしてもそのほとんどが、ユーザーにどんな人がいるかを考えずにデザインしていた現状だったのだ。
もちろん意識するデザイナーもいたが、「色」だけとった場合でも、よくそんなデザイナーから耳にするのは「グレイスケールでも判別できるように」という言葉にすぎない。
もちろん色温度を認識できないユーザーが居た場合、色のみで判別させる情報はアクセシブルではない。が、しかし考慮すべきは色温度がまったく分からない人だけはなく、実際には特定の色が認識できないユーザーもいることを知識としてもっていることだ。
そして、それらユーザーがどんな状況下でWebページを閲覧しているのかを、デザインする側が少なからず知識として持っているべきなのではないだろうか。
今年、JIX8341-3「高齢者・障害者等配慮設計指針-情報機器における機器,ソフトウェア及びサービス-第三部:ウェブコンテンツ(通称:Web JIS)」も改訂版がでる。
今一度、この機会にデザイナーは伊賀さんの記事を読んで、意識しなおしてみてみるのは如何だろうか。