先日、2009年夏モデルを発表したドコモとソフトバンクですが、ドコモに関してはそのケータイOSに「Android(アンドロイド)」であるのが話題になっていたが、その後ろでまた1つ大きな変化があったのをご存知だろうか。
それは、夏モデル(一部機種を除く)から新しくなったケータイブラウザで、JavaScriptやCSSの解釈が改善されたからだ。
» 作ろうiモード:iモードブラウザ2.0 | サービス・機能 | NTTドコモ
その新しいiモードブラウザ2.0では、iモード対応HTML7.2をベースにブラウザキャッシュサイズと要素、属性を拡張したモノに、あらたな機能に対応させた内容になる。
具体的に仕様は以下の通り
- ブラウザキャッシュは500KB
- 文字コードは、Shift_JIS、UTF-8。
- GIF、JPEG、BMPの画像が表示可
- JavaScript、CSSに対応。
- 176種類の基本絵文字と76種類の拡張絵文字、デコメ絵文字が利用可
もう少し詳しく見ると、
- 表示領域の拡張(VGA描画モードの追加)
- 示領域としてQVGA描画モードとVGA描画モードに対応。
QVGAモードは従来のiモードブラウザ1.0と同一 - 動画再生対応
- Flash VideoファイルとWindowsMediaファイルの再生に対応。
最大ファイルは、 埋込ビデオ:500KB、プログレッシブダウンロード:10MBまで。
ファイルは asx/wax/wvx/wma/asf/wmv に対応。
- 静止画の拡張
- BMPとPNGの表示が可
- JavaScript機能
- CMA-262に準拠したJavaScriptに対応
端末操作で「有効」「無効」を設定可 - i-CSS2機能
- WCSSに対応
- Cookie機能
- ファイルサイズ:1件につき4KB
1ドメイン毎に保存可能なCookie数:20件 - Referer機能
- 照元ページのURLを示すRefererヘッダを送信できる
- スクリーンキャプチャ機能
- ブラウザ表示領域内の表示を等倍サイズの画像として保存
再配布およびコピー不可能のほか、meta要素で機能制御可 - テキストのコピー&ペースト機能
- 最大サイズは2,000byte
meta要素で機能制御可 - 保存禁止機能(画面メモ/画像/テキスト)
- meta要素で機能制御可
重複設定が可能 - フレーム対応
- フレーム構成されているページを表示可
- マルチウィンドウ機能
- 新たに別のウィンドウを起動し新規ページを表示(最大数:5)
- 左右キーのフォーカス移動対応
- 十字キーでのフォーカス移動に割り当て可 (Flash)
- ポインタ機能
- 擬似ポインタ機能によってがポインタ操作が可能
随分これまでのブラウザよりも出来ることが増える。
これまでドコモブラウザが足を引っ張る形式だったが、ここで少し前進したと言えよう。
ただ、この段階で1つ怖いのは「フレーム対応」だ。
今時パソコンのブラウザ側でもフレームは使わないようになったが、なぜこの機能を加えたのだろうか。
フレーム表示ができるということは、閲覧しているページがURLとは異なる場所にあっても表示させることができる。
つまりフィッシングなどの「装い」というのが簡単にできるようになる。
パソコン画面と違って、ケータイブラウザ上ではURLを気にしない事が多いので、気づいたら全く違う場所のページを見せられている場合がある。
さて、これ以外に注目したいのは、動画の対応ファイルもそうだが
ここはあえてi-CSS2に着目したい。
これまで、ドコモブラウザといえば「CSSが使えない」もちしくは、「使えるけどインラインで書かなければならない」などの制約があった。
どちらかと言えばドコモブラウザにCSSは使わない方がいいのが現状だったが、今回のi-CSS2ではWCSS( Wireless CSS )を採用しているので、レイアウトがしやすくなる他、外部ファイルにも対応(500KB/ページまで)したことだ。
レイアウトだけ見れば、Positonだけでなく、Floatも使えるようになっている。
これは大きな進歩だ。
実際につかえるセレクタは以下の表の通り。
セレクタタイプ |
記述形式 |
汎用セレクタ | * |
要素セレクタ | E |
子孫セレクタ | E F |
リンク疑似クラス (未訪問リンク) |
E:link |
リンク疑似クラス (既訪問リンク) |
E:visited |
動的疑似クラス (選択中の要素) |
E:focus |
クラスセレクタ | E.warning |
IDセレクタ | E#myid |
属性などは以下でPDFにまとまっているので、そのままその資料を見るといいだろう
» i-CSS2対応属性一覧
ちなみに、この Wireless CSS だが 独自拡張 が用意されている。
- display: -wap-marquee;
- marquee要素をCSSで表現するプロパティ
- -wap-marquee-style
- マーキーの挙動
- -wap-marquee-loop
- マーキーの繰り返し回数
- -wap-marquee-dir
- マーキーの方向
- -wap-input-format
- 入力フォームの文字の種類や並び方を指定
まだまだ古いケータイのユーザーもいるので、すぐに実用性があるとは言いがたいが
しかし、変化としては良かったんじゃないだろうか。
以下から、iモードブラウザ2.0に対応したシミュレーター(iモード HTMLシミュレータII)もダウンロードできるので、一度使ってみるといいかもしれない。
» iモード HTMLシミュレータII