火曜日、2週に1度渋谷で講師をすることになっています。
そしてその日は決まって、本屋に立ち寄って全ジャンルの新刊などで面白そうなのがないか、チェックする変な楽しみがあります。
大抵良くみて回るのが、仕事柄“デザイン”や“Web(インターネット)”関連。
しかし、それだけに留まらず、無名写真家の写真集や有名人のエッセイ、劇団や観劇の本やマーケティングの本。ここ2年ほどは、1人暮らしをしているのもあって、料理系の本なんかにまで目を光らせています。
なので、気が付くと行くたびに4・5千円が財布から消えてなくなるのは良くあること。
おかげで家の中は本棚に入らないで平積みになっていくばかりです。
そんな中、今週は前にTVで紹介されていたとある1冊の本を実際に手にとる機会がありました。
『新幹線ガール』です。
新幹線ガール 徳渕 真利子 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
これは、簡単に言えば新幹線パーサー(要は社内販売をしている売り子さん)の仕事についての本。
つづっているのは、
最初名門ホテルに就職をするもサービス格差の実態に失望し退職、後にアルバイトで新幹線のパーサーをはじめ、05年に正社員になった直後に300人いる正社員の売上No,1になったという徳渕さんという女性。
自分は、学生のときから数々の接客・サービス業をやってきました。
だからだろうか、このような本があるととても読みたくなるのです。
実際、読み進めていくと、新幹線パーサーの仕事について、とても細かく記載されているのに気づきます。
礼儀作法からはじまり、化粧、挨拶の仕方、接客方法、カートや商品の取り扱いについて・・・などなど、アルバイトであってもマニュアルが分厚いことが読んでいてわかります。
また実務にでるまでOJTがあることを知りましたし、特に驚いたのは新幹線内でのコーヒーは実は社内で豆から淹れているということです。
パーサーたちは乗車後まずコーヒーを淹れることから始るなんて知らなかったですね。
販売用のワゴンにかんしても、朝・昼・午後・夜と品揃えを変えているだけでなく、1回の業務で万歩計で測ったところ4万歩(東京~新大阪間:2往復/2日)だったことも驚きです。
これからをやりこなす体力、そして接客技術、品物を販売する際の計算力etc...
あげればキリがないほどいろいろな要素を持ちあわ得ていないと出来ない仕事だと気づかされます。
そして何よりも、「まずお客様のことを考えてあげること」と、
「基本に忠実」ということを1番で読み終えた時に胸に残りました。
新幹線のパーサーって、何気に1人舞台のように思えますが、実は陰では同じ新幹線に乗っているクルーとの連携がなければできない仕事でもあります。
いろんな意味で、この本には良いタイミングで読めた気がしました。
【追記2007年06月20日】
先日、『WebDesgining』の特集で接客・サービスについて織り上げられた際、徳渕さんの後日談がありました。
彼女はいま、パーサーになってグリーン車の車掌業務も行っているそうです。
» 詳しくは、こちら
【追記:2007年07日04日】
今朝番組表をみて気付いた。今夜ドラマ化されるんだ・・・
» スペシャルドラマ 新幹線ガール